効率的なオフィス・ワークプレイスづくりのプロセスとは

ワークプレイスづくりにおいて、プロジェクトの目的、規模、スケジュールなどに応じた進め方を選択し、効率よく確実なプロジェクト推進を行うことが必要である。

 

どのプロジェクトにおいても、FM戦略に基づき、あるべきワークプレイスを実現するには、ワークプレイスづくりの目的、解決すべき現状の課題の明確化、課題解決のための方策の策定と実行、実施後の評価を行うことが重要である。

 

基本方針

 

基本方針には、ワークプレイスづくりの目的、目標と基本コンセプト、および基本要件、推進体制などをまとめる。目的・目標は、どのような働き方を実現するのか、そのためにどのようなワークプレイスをつくるのかを明らかにすることで、ファシリティマネジメントの目標管理項目である、コスト、品質、供給のあり方を示すものである。

 

基本コンセプトは、ワークプレイスづくりの目的、目標を示す概念や、その実現のためのキーワードなどにより構成される。したがって、経営戦略やFM戦略、入居対象となる組織の戦略などが反映され、ワークプレイスづくりに携わる関係者の目指す方向性の共有や、ワークプレイスづくりの各段階での施策に対するチェック、判断基準となる。

 

ブリーフィング

 

ワークプレイスづくりにおけるブリーフィングとは、現状のワークプレイスの現況、入居者や関連部門からの要求、経営者からの要求などを把握し、ワークプレイスづくりの目標、目的を実現するために解決すべき課題とその優先順位を明確にし、ワークプレイスに対する要求条件、与条件を策定することをいう。

 

現状評価

 

現状評価では、現状のワークプレイスの実態を調査し、調査結果を分析・評価し、ワークプレイスづくりにおける課題を明確化する。実態の把握は時間・労力の節約と専門知識・技術の活用などの面から、サービス提供者に委託することが一般的である。

この時点から、コンサルタントや設計者などのサービス提供者を選定し、協力を得ることで、効率的に、的確に現状評価を行うことができる。

 

これらの調査で明らかになったさまざまなデータは、要求条件の策定に利用するだけでなく、その後の標準・規程類の作成、完了後の変更、今後のワークプレイスづくりでのベンチマーキングなどに活用できるよう、データベース化を図る。

 

要求条件の整理

 

要求条件とは、経営者から示される方針や経営戦略とFM戦略、入居部門と関連部門からの要求、実態調査などから明らかになった解決すべき課題を、基本方針や実施標準などの判断基準から、実施事項とその優先順位を明確にし、ワークプレイスづくりの基本条件として取りまとめたものである。

 

要求条件は、目指す働き方を実現するための、ワークプレイスの機能や環境性能、提供サービスなどを決定するために重要であり、計画、設計、実施時の判断基準となるため、明確に整理することが求められる。

 

基本計画・設計

 

ワークプレイスづくりにおける基本計画、基本設計は一体で進行することが一般的である。基本計画・設計では、基本方針や要求条件をもとに、ワークプレイス設計のための設計条件を具体化し、提示された課題を解決する計画案を策定するとともに、設計の方向付けを行うためのデザインコンセプトとして取りまとめる。

経営者に対して、基本計画・設計案とその評価結果を提示し、協議のうえ基本計画・設計案を決定する。

 

また、基本計画・設計の段階からサービス提供者に業務を委託する場合には、ワークプレイスづくりの基本方針や要求条件、提出物等の条件を提示し、提案競争などを実施し、サービス提供者の選定を行う。

 

実施設計

 

実施設計では、承認された基本計画・設計をもとに、詳細な設計を行う。間仕切りの設計、ワークステーションの詳細設計とそのレイアウト、その他の各スペースのレイアウト、間仕切りの設計にもとづく既存建築設備の設計変更、内装設計、家具什器の選定などのインテリア計画が主となる。

 

基本設計が優れていても、実施設計での細部の設計の良し悪しが、ユーザー満足度に影響を与える。とくに、各部門から要求に対して実施困難な事項がある場合には、代替案を提示して理解を得るなど、迅速に対応することが重要である。

 

関連部門と協力して詳細設計を行う必要がある事項は、十分なコミュニケーションにより、円滑に実施設計が進むよう心掛けなければならない。

 

実施管理・検収

 

実施段階での予算管理は、内装、情報化対応の施設装備、家具什器の調達など、広い分野にわたる。資本的支出(資産として計上)、経費の支出について、それぞれの項目を分類し、予算と実績の管理表を作成し、調整を図りながら行う。

 

工事期間中におけるユーザーの変更要求や設計の不具合の発生などにより、実施設計内容に変更を検討する場合には、当該工事の完了時期の延長の有無と是非、コストアップの有無と是非、およびその負担先を明確にし、対処する必要がある。

 

ワークプレイスは、ユーザーが日常もっとも身近に使用する場所である。そのため、工事、家具什器納入の検収は細かくチェックする必要がある。瑕疵の有無はもちろん、使い勝手や安全性など十分な確認を行う。

 

 

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